只見つづりの「北海道弁講座」*3「なまずるい」
なまずるい(な行三つめ)
「ずるい」の上を行く、ずるいやつを「なまずるい」。
たぶん「なまら、ずるい」が縮まって「なまずるい」になったのでしょうね。
ずるい人は結構いますが、そのうえを行く悪知恵の持ち主を、陰からこっそり罵倒するための言葉。今でいう超ずるい。
少し前にいましたよね、なまずるい人。
前東京都知事ます□えさんとか。
「なんかさ、あの人、ちょっといいふりこいてるくせして、人の金ちょろまかして、なまずるいわ~」
とか、言います。
面と向かっては言いませんよ。喧嘩になっちゃう。
そして、さらにその上を行くずるい人は「へなまずるい」と言います。
「へなまずるい」「へ」が付きます。
最上級のずるさ加減。くそったれ野郎のことです。(すみません。不適切な表現を使ってしまいました)容赦のない最上級の罵倒の言葉。超超ずるい。
この「へ」は何なのかわかりませんが、たぶん「屁」でしょう。屁理屈のへ。意味はつまらなくて価値のないもの。まさにその通り。
当然、「ずるい」も使います。
順序として「ずるい」<「なまずるい」<「へなまずるい」
いるでしょう?あなたの会社や近所にも。なまずるい人の一人や二人。上司にはいいふりして部下には嫌味な奴や陰でこそこそ悪口を言う人。
こんな人を北海道では「いいふりこきのがんべたかり」と言います。
その意味はまた後程詳しく。
使用例
松くん「今度来た新しい課長さん、どうよ?」
竹くん「東京から転勤できたんだけどよ、まぁ、なまずるいさ。部長の顔色ばっかり見てるさ。」
松くん「そりゃゆるくないな。」
竹くん「まあ、けっぱるわ~」
今回は小さな声でご一緒に。
「まぁ、なまずるいさ。」
ありがとうございます。
ところで前回、語尾に使う言葉を二つほど紹介しました。「だべさ」と「~っしょ」でしたが、他にもいろいろあるんですよ。今日はもう一つご紹介します。
「~~かい。」
これ、いろんな意味で使います。
たとえば普通に疑問形。
「この魚、腐ってるんじゃないかい?」
次に助言。
「疲れてるなら早く寝たら、いんでないかい。」
三つめは推測。
「変な咳して、風邪ひいたのかい。」
四つめ、同意、称賛。
「細川たかしって、歌うまいんでないかい。」
などと、いろいろ使えて便利。
今はだいたいが「いんでないかい」が使われますね。
「いいんでないかい(良いことじゃないでしょうか?)」の『い』が二つ重なるので『い』を一つにして縮め「いんでないかい」になっていますね。いいよね、ナイスだね、の意味ですね。
桜さん「竹内涼真の新しいドラマ、いいよね。」
梅さん「いんでないかい。めんこいわ。」
とか、使います。
それでは皆さん、ご一緒に。
「いんでないかい。めんこいわ。」
たびたび、ありがとうございます。
今回はこの辺でおしまい。したっけさ。
良かったら押せばいっしょ。