作詞家になりたくて

歌になりたがっている詞があります。 
言葉たちが一瞬でも輝やいてくれますように!

「夕月、見上げれば」

午後4時5分
東の空に
雲のかけらによく似た月が
涙、溶かしたくすんだ青に
まん丸まぁるく浮かんでる


似た者同士
あなたと私
青い煙を吐き出しながら
何か悩みを抱えた顔で
ぼんやり二人で月を見る


夕月・ため息・宵の明星
あなたの横顔たそがれ色で
夕映え・鼻歌・カレーの匂い
今夜は私もカレーを作ろう


どんなに思いを募らせたって
伝えていなければ片思い
今なら照れずに言葉にできて
何気に好きだよって言えるかな



午後5時5分
お鍋の中は
カレーじゃなくてシチューになった
それは途中でカレー粉なくて
ふんわり真っ白湯気が立つ


上から目線
あなたの視線
「しょうがないよな」言わんばかりの
何か年上気取りの顔で
やんわり私を慰める


宵闇・木枯らし・灯りがともる
二人の食卓向き合う時間
幸せ・鼻歌・シチューを混ぜる
「もうすぐご飯ができるよ」って言う


時々ケンカをしたとしたって
素直に謝れば仲直り
今なら怖じけずなんでも言えて
何気に好きだよって言えるかな

出会って1年目、最近同棲を始めたばかりのカップル、彼らの、日曜日の光景を思い浮かべながら、想像しながら、作詞をしてみました。
夕方の白い月は、そこにあるようで、ないような、消えてしまいそうな、はかないもののようで。物悲しいけれど、この時間が、ほのかに幸福感を満たしていて好きです。
それではまた。

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