作詞家になりたくて

歌になりたがっている詞があります。 
言葉たちが一瞬でも輝やいてくれますように!

「透明約束」川上健一 著

「カナダ」をテーマにした短編集です。
10編の話が一冊に。


「カナダ通り」
「夜間飛行」
「オーロラ爆発」
「バンクーバーの雪だるま」
「天国にもない島」
「全日本スキップ同好協会」
「ラッキーハンド」
「二十五年目の愛してる」
「透明約束」
「極夜」


最初の2話は日本のお話し。
でも、とっかかりの物語としては、とても良くできたお話でした。
「カナダ通り」
女子高生の物語。
何のとりえもない女子高生が、高校入学を機に、徒歩で1時間半をかけて無遅刻、無欠席で通学することを決意し、実際にやりとおし、卒業式を迎えます。
通学路の商店街に掲げられたカナダの国旗。
彼女はそこから勝手に「カナダ通り」と名付けて、毎日、気さくな商店主とあいさつを交わし、途中のケーキ屋さんとも仲良くなります。
そして、卒業式の当日、学校へ行くと、思いがけないサプライズが待っていました。
ホロリとさせてくれます。


全編を通して読むと、カナダは広い、と感じさせてくれます。
そして、カナダへ行きたくなってくる自分がいます。
オーロラを見に行きたくなります。
「赤毛のアン」の世界を旅したくなります。
ロブスターを食べに行きたくなります。
カナダを横断する(西側のバンクーバーから東部のトロントへ向かう)寝台列車に乗ってみたくなります。
「ルーネンバーグ」と言う場所は知らなかった。この本で知りましたが、行きたい場所に加わりました。ググルと世界遺産だそうです。カラフルな色の家が港の周りに立っていて、それはもう、おとぎの国。
20ページから30ページくらいの短編小説が10話。
それぞれが、独立した話ですが、どれも、カナダの大自然が醸し出す、ゆったりとしておおらかな時間が行間に滲んでいました。
「全日本スキップ同好協会」は是非読んでみてください。シリアスだけれど、笑う。
悲しい話だけれど、面白い。
うまく説明できないけれど、相反する感情が上手く混ざり合って、最後はくすっと笑っていられる。
読後感がとてもすっきりして、さわやかでした。
そのかわり、印象が薄いのは否めない。
文庫本では出ていないようです。
それではまた。


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