風知草
冷たい北風吹き抜ける
道をあなたと二人歩く
「出会いの時に戻りたい」と
あなたは呟いてため息
「過ごした時間が大切よ」
私の言葉に押し黙る
どうして心は移ろうの
どうして時はとどまらない?
「もう一度やり直したい」と
心にもないことを言うのね
二度と会えないなら泣かせて
涙が溢れて止まらない
ただ前だけを向いて歩く
「さよなら」が風に消えてゆく
風が吹きぬけるこの道に
揺れる草の葉が悲しげね
こんなふうに風に任せて
いきてゆけばどんなにいいか
「嫌いになったわけじゃない」と
あなたの言い訳見苦しい
最後もあなたは自分だけ
別れに酔っているみたいだわ
「またどこかで逢えるだろうか」
裏切ったのはあなたのほうよ
二度と会えないなら泣かせて
後ろは二度と振り向かない
ただ前だけを向いて歩く
「さよなら」が風に消えてゆく
*2018年3月 作詞
散文詩になりました。
字数はそろえたつもりですが、曲にするとラップのようになりそうです。
大人の「別れ」の歌です。
弱いくせに強がって見せる。悲劇のヒロインに酔っているのは自分かもしれない。
人の心は複雑。ましてや「別れ」の時には。
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