作詞家になりたくて

歌になりたがっている詞があります。 
言葉たちが一瞬でも輝やいてくれますように!

只見つづりの「北海道弁講座」*7「いたましい」「うるかす」

「いたましい」「うるかす」

「いたましい」
桜さん「あら、この服もう着ないのかい?」
楓さん(かえで、桜さんの娘)「だって、もう小さくなって、着れないもん。」
桜さん「まあ、いたましい。しょうがないわ、リサイクルに出すわ。」


「いたましい」は「痛ましい」ではなく「もったいない」と言う意味で使います。場所によっては「いたわしい」とも言います。
(道南、道東、道北、道央など地域によって違う、道産子はどっちでも通じる)
「いたわしい」も「おいたわしい方を亡くされて…」と言うようなお気の毒にと言うような意味ではなく「もったいない」の意味です。


「もったいない」の意味のほかにも他人に渡すのがいやだなと思うときとか。
桜さん「楓、あんた、何おいしそうなケーキ食べてんのさ、私にも一口ちょうだい。」
楓「やだ。お母さんの一口っておっきいから。いたましいわ。」


楓さん「お母さん、そのバッグ、私にちょうだい。」
桜さん「楓にはまだ早いし、いたましいから、あ~げない。」


惜しいと思うときとか。
桜さん「楓、あんたそのイチゴ食べないのかい?」
楓さん「私、イチゴが、いたましいから最後にとっておくの!」


国語辞典ではこうあります。
痛ましい:気の毒なありさま、かわいそう。の意味。
労しい:気の毒だ。いたましい。
「もったいない」の意味はありません。
私は「いとおしい」が訛ったものだと思います。「いとおしむ」の意味を国語辞典では
「① 気の毒におもう②かわいがる③惜しんで大事にする」
まさに③の意味が該当しています。


おにぎりをテーブルに置いたまま出かけてつい忘れていた桜母さん。
桜「あら~忘れてたわ。楓、これ、あめてるかしら。」
楓「おかあさん、ダメだわ。完全にあめてるしょ。いたましいわ。」
(注:あめる<北海道では>食べ物が腐る、饐(す)える。飴のように糸を引いて食べ物が腐った状態)


さて、次に「うるかす」


桜母さん「楓、ご飯食べたらお茶碗うるかしといてね。」
楓「はーい。」


はい、食後のお茶碗は自分で流しに持って行き、水をかけてご飯粒や、こびりついた食品の汚れなんかを洗いやすくしておくこと。
「潤す」「ふやかす」の意味。
ご飯を炊く時お米を研いで、しばらく水を入れておいてから炊き始めますが、しばらく水を入れている時「うるかしておく」と言います。
黒豆を煮る時、水を入れて一晩おいておきます。「黒豆は一晩うるかしておくのよ。」
ふやけた状態のものは「うるける」。
「豆がうるけたら、後はじっくり煮ればいいっしょ。」


食べた後は食器をうるかしておけば、食器洗いも楽々です。(今は洗剤も進化してるから綺麗になるけどね)語源はたぶん「潤す」が訛ったのでしょうね。


それでは恒例のRepeat after me!
『すぐ大きくなるから服も着れなくなる。いたましい。』
「すぐ大きくなるから服も着れなくなる。いたましい。」
『食べたら茶碗は、うるかしといてね。』
「食べたら茶碗は、うるかしといてね。」


ありがとうございました。


おまけ。感動したYou Tube。戦争孤児の17歳の少年が歌う「イマジン」

感動の歌 戦争孤児だった少年が歌う平和の歌「イマジン」(日本語字幕)



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